NHK「海軍四〇〇時間の証言・第三回」

2009/08/12 01:10

 

昨日のが評判が良かったみたいなんで、今夜はがんばって見てみた。

 

今夜は、なぜ、海軍のA級戦犯は処刑されずに済んだかという話。

 

戦争中の軍令部という組織が

戦後は二復という組織に名前を変えて、

GHQが表向き禁じていた裁判対策を

必死かつ巧妙にやったためということらしい。

 

(陸軍は裁判対策やらなかったのか?という疑問が残るけど…

これは私が聞き逃したのか、単に陸軍があほだったのか、

天皇+海軍を利用するためのGHQの作為なのか…)

 

弁護の基本方針は、天皇陛下の責任を追及されないように、

「責任を現地司令官程度にとどめること」、

「何処で責任の訴状を食い止めるか」ということだったそう。

 

上を守るために(天皇は結局ダシで、軍令部を守るため?)、

BC級の責任を問われている人には、

不利になるようなことも相当やったらしく、

責任を押しつけられて死んだ人は本当に気の毒だし、

真相を知った遺族の方の無念も想像を絶するけれど…

 

…しかしそれは…海軍でなくとも、日本人でなくとも、

今の戦争嫌いの日本人だって、

当事者なら、残念ながら、誰でもやるでしょう。

 

私の貧しい経験の中だって、

人間は自分の利益守るためなら、

まして、自分までを含んだ組織を守るためなら、

自分一個を守るよりも、後ろめたさを感じず、

何だってやるのは、見て知ってるわけで。

 

そんな小さな利益のためにそこまでやるか?

ってことすら、普通にやるわけだから、

まして命がかかってれば、そのくらいのことはやるでしょう。

 

昨日のは、海軍ってものに相当幻滅するような内容だったらしいけど、

今日の裁判対策という切り口からは、ある意味当然というか、

陸軍同様海軍も最低とか今更思えなかったですね。

(これまでも、陸軍より海軍のほうがマシとか思ってないけど。)

 

GHQの意向を陸軍よりも的確につかみ、事前に口裏を合わせ、

重要な証人を逃がし、A級戦犯の死刑を回避したのだって、

そりゃ、可能ならば、当然やるだろうし、

そのあげくになんとなく、悪いのは陸軍だけで、

海軍は陸軍に引きずられただけってイメージを定着させるまでやったのも、

たまたまそれが可能な条件が重なって出来ただけの話で。

 

「組織より一人一人の命が重い」って最後にNHKの人が言ってたけど、

組織より個が上みたいな理想主義は、

今までもこれからも実現されないだろうし。

 

この番組作った人が属してるNHKだって末端より上を守る体質だろうし、

第一、これを忸怩とせずに、言える人間は大人じゃないし。

 

せめて、個が組織より軽く扱われることが人目につかないように、

戦争を回避するってぐらいしかないでしょう。

 

普通の社会人なら普段から目にしたり、

運が悪けりゃ(良けりゃ?)実際やったりしてる

組織のためと称してやってる保身の行為が、

戦争では、他人の命を奪う結果につながりかねないだけですから。

 

 

あと、ちょっと気になったのは、

反省会で大島という人の思い出話ででてきた、

香港の南のほうにあるなんとか言う島で、

「戦争がそれほどひどくならない」昭和13年だかに、

海軍が飛行場を作り、その機密を守るために、

現地人を追い払うためにやったらしい、「残虐行為」を

NHKは現地で証人を捜したり証拠集めをしたものの、

結局何をやったのかはっきりせず、

陸軍の南京事件に相当する海軍のそれを立証できなかったようで、

なんだか気の毒であった。

 

これは、もう少しマシな証拠を「発見」できれば、

別に独立した番組になり、来年あたりは、

教科書に乗るようなメジャーな「歴史」に昇格し、

鳩山首相が謝罪することになるんだろうな~(^^;)

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コメント(8)

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2009/08/12 01:46

Commented by kinny さん

すばらしい!
なんかうれしくなっちゃったぞ。
たしかに最後の尾ひれは拍子抜けだったね(笑)

> 上を守るために(天皇は結局ダシで、軍令部を守るため?)、

小生もすぐにそう思ったぞ。官僚ってのはそういうことを言うんだ。
これビンゴ中のビンゴだね~...あまりうれしくないビンゴだけど。
陸軍では戦中に佐藤中将を裁かなかったのも、天皇に類が及ぶのを恐れたといいながら、じつは陸軍官僚たち自身の保身なんだよね。

 
 

2009/08/12 18:52

Commented by izakamakura-ra さん

To kinnyさん

私は前半を見なかったのでなぜあの人達が反省会をしているのか分からないのですが。推測するに、あの人たちは、前半で扱ったらしい作戦に関する軍司令部の愚行には割と無関係で、其の分、前半は割と客観的な話だったんじゃないでしょうか?

ところが、後半で扱われた「裁判対策」こそ、彼らが関わったことで、実際、「遺族は二復は上を守るために下を見捨てると当時から分かっていて、訪ねていっても追い返されることもあった」というような、相当後ろめたいことを、自分を守るというより、自分が属している組織の上を守るために、直にやらされた、生き残ったように見えてもBC級で殺された人と同じように上に利用されたという鬱屈があるような気が。

その鬱屈を晴らし、利用した連中を告発するために、延々反省会をやったのじゃないか?という気がするのです。…だから、この400時間というのは、NHKは史料、歴史として扱いたいようでしたが、これはどっちかというと文学が扱う話じゃないのかな~という気がしました。

それこそ、芭蕉や漱石の死に目に集まった弟子達がそれぞれの背景で考えかたが微妙に違うように、集まってる一人一人の立場、戦後の生き方なんかで、話してることは、いろいろに解釈されるような。こういうものを「歴史の証言」みたいに単純なフレームに入れて平気で提示して、紋切り型で締めるテレビや学校の先生とかって、悪意というよりも、単にバカなんだろうけど…なんだかな~と思ってしまいます(^^;)

 
 

2009/08/13 00:22

Commented by suzutsuki0227 さん

第2回目の「特攻 やましき沈黙」は見たのですが、これは見逃しました。

軍の中枢部の、こんなにまとまった資料が有れば、良い史料になるでしょうね。
でも肝心な所は、空気がなんちゃらでごまかされていますが。

>現地人を追い払うためにやったらしい、「残虐行為」

その取材を遂行する途上、NHKは犠牲を払った様ですね。↓
http://jp.jnocnews.jp/news/show.aspx?id=19811


 
 

2009/08/13 02:37

Commented by kinny さん

To izakamakura-raさん
>これはどっちかというと文学が扱う話じゃないのかな~という気がしました。

まさしくまさしく。
というより、izakamakura-raさんのセンスの良さがわかるね。

そうした意味においては、過熱期の政治って、ことごとく文学なんだよ。
文学でないと、むしろワカランのだ。特に日本人は、他世界のような個人のドグマが資料に表出しづらいために、事態が激すれば激するほど、怖じ気づいたように、ますます雲を掴むような、掴み所のない歴史になっていってしまう。

だから意図してかどうか、編集者はその作法に従っている、というのが小生の見方。第一回を見てもわかるけど、編集者は、かならずしも歴史の証言者としての彼らを尊重していない。
むしろ、俎上に載せている趣があるんだ。現代のわれわれもろともにね。

もちろん飛躍かも知んないんだけど、それもまたセンスかと思うんだよね。

 
 

2009/08/13 10:54

Commented by izakamakura-ra さん

To suzutsuki0227さん
>第2回目の「特攻 やましき沈黙」は見たのですが、これは見逃しました。

あ、これ3回シリーズだったんですか…前後2回シリーズかと勝手に思ってました(汗)

>軍の中枢部の、こんなにまとまった資料が有れば、良い史料になるでしょうね。
>でも肝心な所は、空気がなんちゃらでごまかされていますが。

分析する人のスタンス次第なんでしょうね。

>>現地人を追い払うためにやったらしい、「残虐行為」
>
>その取材を遂行する途上、NHKは犠牲を払った様ですね。↓
>http://jp.jnocnews.jp/news/show.aspx?id=19811

今見てきました。なんか怖いですね。因縁なのか…。

 
 

2009/08/13 11:06

Commented by izakamakura-ra さん

To kinnyさん
>特に日本人は、他世界のような個人のドグマが資料に表出しづらいために、

資料には個人のドグマが表出するのが当然となれば、変な空気主義で曖昧にならず、立場による違いを付き合わせる作業ができるんでしょうね。

>だから意図してかどうか、編集者はその作法に従っている、というのが小生の見方。第一回を見てもわかるけど、編集者は、かならずしも歴史の証言者としての彼らを尊重していない。

1回、2回を見てないので、イヤですが(笑)、今度再放送があったら見ないといけませんね。編集者が意図的にその作法に従っても、それを見る人間が、これも「平家物語」の段の一つなんだという目で見ればいいのですが。みずほたんとか、あの手の人の信者および、えせこんの人たちの読解力に不安が(^^;)

NHKには「日本はいいこともした」とか「陸軍はアレだけど、海軍はよかった」的な雰囲気を粉砕しなきゃっていう使命感があるようで。どっちもどっちと、いい加減気がつけよ~みたいな(^^;)

 
 

2009/08/13 23:07

Commented by kinny さん

To izakamakura-raさん
みずほたんとか、あの手の人の信者および、えせこんの人たちの読解力に不安が(^^;)

ぎゃっははは!
あのテの人たちには今回の番組は評判悪かろうね♪
それだけにちょっとうれしかったんだよね(爆)要は「悪」としての無意味な断罪と反省がなかったから。

ただ今回はなぜか、取って付けたような情緒論が突然ラストに登場した。
ありゃやっぱ、バカが、上にいるパターンかなあ?(汗)
実権はバカが握ってるとか。

 
 

2009/08/14 09:41

Commented by izakamakura-ra さん

To kinnyさん

>ぎゃっははは!
>あのテの人たちには今回の番組は評判悪かろうね♪
>それだけにちょっとうれしかったんだよね(爆)要は「悪」としての無意味な断罪と反省がなかったから。

あの手の人たちは、読みたいもの、見たいものしか見ませんからね。誰でもそうなのかもしれないんですが(^^;)

>ただ今回はなぜか、取って付けたような情緒論が突然ラストに登場した。
>ありゃやっぱ、バカが、上にいるパターンかなあ?(汗)
>実権はバカが握ってるとか。

型があるのかも?その型さえ守ってれば、中身がどれほど型と真逆のことを示唆していてもいいとか。NHK内部で作り手と上がそういう葛藤してたら、あの反省会してた二復の生き残りの人たちと重なってて、面白いというか、皮肉かも?

 
 
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